Ⅲ JAS認証

JAS認証の取得にあたっては、手順1~手順9に従って進めてください。

認証を取得したい事業者の準備
手順1 JAS規格の制度についてよく知る
JAS規格の制度に関する資料は、農林水産省のwebサイト「JAS」(外部リンク:農林水産省)で公表しています。
認証取得に当たっては、まずJASの制度について理解することが重要ですので、上記のサイトから情報を入手してください。関係書籍をご希望の方はこちら
認証は、農林物資の種類ごと、事業内容ごと(製造や小分けなど)に取得します。
手順2 組織や施設などが基準を満たしているかどうかを確認する
認証を取得したい農林物資の種類について、JAS規格や認定の技術的基準を確認して、自らの管理システムや組織(例:人員、資格要件)、施設(例:生産や製造、流通施設の条件、広さ)がこれらの基準を満たしているかを確認してください。
手順3 登録認証機関を選ぶ
審査を依頼する登録認証機関を選んでください。
登録認証機関は、前述の農林水産省webサイト「登録認証機関一覧」で公表しています。
農林物資の種類によっては、複数の登録認証機関があります。認証を行う区域や手数料などは登録認証機関によって異なることがあるので、確認のうえ選択してください。
登録認証機関はコンサルティングサービスを行えませんが、認証の手順、権利と義務、認証手数料などについては、申請者に情報を公表する義務がありますので、申請する際はこれらの情報を収集してください。
手順4 講習を受ける
講習会の受講が、認証取得の必須条件となります。
認証の技術的基準において講習会の受講が必要とされる品質管理担当者や格付担当者などは、手順3で選んだ登録認証機関の指定する講習会を受講してください。
登録認証機関の指定する講習会とは、登録認証機関が自ら講習会を行う場合と、他の機関(JAS協会など)が行っている講習会を指定する場合があります。
手順5 申請書を提出する
申請書の様式を登録認証機関から取り寄せ、必要事項を記入し、添付書類をそろえて提出してください。
登録認証機関は、申請書に欠落がないかを確認し、かつその内容を見て受理可能かどうかを判断します。
登録認証機関の審査
手順6 申請の受理と書類審査
登録認証機関は、申請者から提出された資料を確認し、必要な書類が整っていると受理します。
申請書が受理されると、申請書の内容が認証の技術的基準を満たしているかどうか、細かく書類審査が行われます。

□■□■ 是 正 ■□■□
書類審査で見つかった不適合については、その程度に応じて改善の指摘が行われたり、申請書の再提出が求められたりする場合があります。
手順7 実地調査、製品検査
書類審査が終わると、実地調査が行われます。
実地調査では、登録認証機関の審査員が工場やほ場など現場へ赴き、申請書の内容と現場の様子や実施状況が一致しているか(※)、また、認証の技術的基準を満たしているかの調査をします。
※ 実地調査では、内部規程、格付規程、地図などの書類や資料などの申請書の内容と、管理記録、証拠書類、施設の状況などの実施状況に相違がないか確認が行われます。
手順8 レビューと判定
登録認証機関は、書類審査、実地調査及び製品検査の結果をもとに、判定委員会などによって申請内容が「認証の技術的基準」を満たしているかどうかをレビューし判定可能か判断します。(なお、書類審査、実地調査、製品検査を行った審査員はその判定に加わりません)

□■□■ 異議申し立て ■□■□  
判定結果に異議がある場合、申請者は異議申し立ての手続きをすることができます。
手順9 認証書の交付
判定の結果、基準を満たしていると認められた事業者は、「認証事業者」となります。また、認証事業者には認証書が交付されます。
認証事業者となることによって、JASマーク製品の販売・流通ができるようになります。
申請書を提出(手順5)してから、認証書の交付を受ける(手順9)までにかかる期間は、農林物資の種類、事業者の規模によって異なります。順調な手続きの進行には、JAS規格を理解し、格付のための適切な仕組みを整備することが重要です。
認証後
□■□■ 年次調査・不定期調査 ■□■□  
通常は年に1度、特別な場合は必要に応じて、登録認証機関の審査員が事業者を訪問し、認証の技術的基準が引き続き守られているかどうかを確認するために調査を行います。

□■□■ 格付実績(格付表示実績)の報告 ■□■□  
認証事業者は毎年6月末までに、前年度(4月から翌年3月)に貼付したJASマークの実績(JAS製品の生産量やJASマークの使用数)を登録認証機関に報告します。

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